「21世紀を生きる君たちへ」を読むとき
何年か前に、司馬遼太郎記念館に行った。
その時、展示されていたのが、この「21世紀を生きる君たちへ」だった。
一気に読めるくらいの短い、シンプルな文章だが、
僕はいたく感動し、涙が溢れてきたことを覚えている。
その後、事あるごとにこの文章を読み返すが、
いつも勇気づけられてきた。
司馬遼太郎の本をすべて読んだ訳ではなので恐縮だが、
司馬文学の一つの象徴的文章なのかもしれない、というのが僕の感想。
特にいいのが、
君たちはいつの時代でもそうであったように、自己を確立せねばならない。
・・・・自分に厳しく、相手にはやさしく。
という自己を。
という部分。
ちょうど、「坂の上の雲」で、秋山好古を評して、秋山自身が「自己教育の所産」
という表現を使っていたのを覚えている。
つまり、生まれながらの「古武士」ではなく、自らを教育してそうなったと。
この部分を読むと、いつも感動し、勇気づけられる。
我々凡人でも、自己をトレーニングすることで、
今より良い人格を持つことができる。
それが、司馬遼太郎のメッセージではないのか。
なかなか自己を変えることは難しいのだけれども。。。